Point:犯人はあなただ!

Reason:なぜなら、被害者のダイイングメッセージがあなたを名指ししているからだ。

Example:しかも実際、現場から逃走するあなたの姿が防犯カメラに記録されている。

Point:ゆえに、犯人はあなただ!

Point:お腹が空いたらケーキを食べればいいじゃない。

Reason:だって、パンは高くて変えないんでしょ?

Example:物価がどーのこーのって、民衆がデモやってるものね。

Point:だからパンが買えないならケーキを食べればいいのよ。オホホホホ♪

PREPって、自分の考えを述べるときしか使えないんですか?「〜すべき」とか「〜と思う」みたいに。

「今日は晴天です」とか「先週の売り上げは◯◯万円でした」みたいな事実の説明はPREPが合わないんじゃないかしら?

PREPの練習問題では「Point:◯◯すべきである」とか「Point:◯◯をおすすめしたい」のように提案や判断の例文が用いられることが多いですよね。

でもPREPの用法は提案や判断だけではありません。

今回はPREPをいろいろな場面に応用してみましょう。

事実を伝えるときのPREP

「今日は晴れている」という事実は空を見れば明らかです。

「Reason(なぜそう思うのか)」は必要なさそうですね。だからPREPを使わず「Point:今日は晴れている」だけでも完結します。

では、Reasonを「なぜそうなったのか」にしてみると、どうでしょう?

Point(要点):今日の関東地方は晴天です。

Reason(なぜ晴れているのか):昨夜のうちに台風が過ぎ去ったからです。

Example(事実):では天気図をご覧ください。台風は日本海に抜けて温帯低気圧に変わりました。

Point:今日と明日はお出かけ日和ですね。

晴れた理由、今後も晴天が続く見込みがわかって安心しますね。

ビジネスの報連相でも同じです。

Point(要点):先週の売り上げは◯◯万円、前年同時期より30%アップしました。

Reason(なぜそうなったのか):大口の法人契約が増えたからです。

Example(事実):A社とB社とC社だけで合計△△万円、全体の40%を占めています。

Point:今期一番の成績となりました。

「なぜこうなったのか」は自分の推理。それを裏づける事実やデータを示すことで説得力が増します。

このように、PREPをいろいろな場面に応用するコツはReasonの使い方にあります。

  • 提案や判断のPREPは「Reason=なぜそう考えるのか」
  • 事実を伝えるPREPは「Reason=なぜそうなったのか」

「なぜ」にもいろいろあるわけです。

仮説を立てるときのPREP

「◯◯だろうか?」と仮説を立てたり、議論の論点整理をしたりするときもPREPが使えます。

Point(議題):A社を取引先に選ぶべきだろうか?

この場合、まだ判断できていないのでReason「なぜそう思うのか」は言えませんよね。
(ここで「なぜ私は迷っているのだろうか?」なんて上司が一人語りを始める風景はかなりシュールです)

こんなときは、Reasonを「何を判断基準にするべきか」にしてみましょう。

Reason(判断基準):経営状態は安定しているか?

Reason(判断基準):過去にコンプライアンス違反や重大事故を起こしていないか?

というのもありますよね?

Reason(判断基準):独自の技術を持っているか?

これも大事でしょ。

いろいろ出てきますね。取り引き先を決めるにはいくつもの観点で検討する必要があります。

では、これらの判断をするためにはどんな事実やデータを探してくればいいでしょう?

経営状態を知る手段としては、財務諸表がありますね。企業のHPのIR情報のページや、金融庁のサイトEDINETで閲覧できます。

違反歴や事故歴を知るには、過去のニュースを検索することが有効です。また各省庁には事業者の行政処分歴などを検索できるサイトがあります。

独自技術の有無について調べるなら、経済産業省の特許情報プラットフォームというサイトが便利です。そのほか研究論文や技術記事を調べるという手もありますね。

やみくもに資料を集めてくるより、判断基準を明確にしたうえでそれを裏づける事実を探す方が効率的で抜けのない調査になります。

ではここまでの内容をまとめてみましょう。

まとめ

Reasonは「なぜならば〜」だけでなく「なぜそうなったのか」、「何を判断基準にすべきか」など柔軟に解釈するとPREPの応用範囲が広がります。

主張や提案だけでなく、事実説明や仮説立案にもPREPが使えるんですね!

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