「いい話だったのに、印象に残らない…」
- 「内容は悪くないのに、反応が薄い」
- 「話が流れていって、何も残らない感じがする」
- 「あとから『で、何の話だったっけ?』と言われる」
これは、プレゼンの内容が“一方向的”になっていることが原因です。
聞き手にはそれぞれ違う関心ポイントがあります。
だから、「1つのアプローチだけ」では刺さらないのです。
どんな人にも“引っかかる”話し方がある
当社が研修で教えているのが、独自のフレームワーク:
3D話法(Difference / Detail / Development)
この3つの“座標軸”で話を展開すると、どこかで必ず聞き手の関心にヒットする設計になります。
3D話法の3つの軸
① Difference(他との違い)
「他と何が違うのか?」
聞き手が一番知りたいのは、“選ぶ理由”。
比較軸・競合との違い・従来との変化など、差分を明示します。
例:「従来の製品と違い、このモデルは電源が不要です」
② Detail(具体的な詳細)
「実際、どういうこと?」
スペック、数字、現場のエピソードなど、リアリティのある詳細で“実感値”を補強します。
例:「一回の充電で連続20時間動作、現場では夜勤帯でも交換不要です」
③ Development(今後の展開)
「で、これからどうなるの?」
導入後の変化、導入プロセス、今後のロードマップを提示することで、“見通し”を与えます。
例:「来月からテスト導入、現場からフィードバックを得て再調整し、6月から全社展開を予定しています」
なぜこの3軸が効くのか?
人の関心ポイントは、立場によって違います。
職種・関心 | 刺さる軸 |
---|---|
経営層 | Development(投資効果、将来性) |
管理職 | Difference(導入判断、差別化) |
現場担当 | Detail(実行性、リアルな手応え) |
つまり、「この中のどれか1つにでも食いついてもらえればOK」という保険のかかった構成になります。
実例:3D話法を使ったプレゼンの一節
「この新ツールは、従来の業務管理ソフトと違い、スマホからも直接入力が可能です(Difference)。実際、A営業所では出先からの報告件数が2倍に増えました(Detail)。今後は全エリアに展開し、営業日報のペーパーレス化を図っていきます(Development)。」
→ 1分以内で、比較・具体例・展望がすべて入っています。
3D話法をプレゼンに取り入れるステップ
- Difference:「何と比べて、どう違う?」を先に書き出す
- Detail:「数字」「例」「現場の声」など具体化できる要素を集める
- Development:「これをやると、何が変わる?」をビフォーアフターで描く
この順番で材料を揃えるだけで、スライドも話の構成も自然と組み上がります。
おわりに:「響く話」には“3方向の入り口”がある
話し方を磨くよりも、聞き手の多様性に合わせた設計をすること。
それが、ロジカルプレゼンの本質です。
“全員に刺さる話”は存在しません。
でも、「どこかには刺さる話」なら、構成でつくれるのです。
Difference・Detail・Development。
この3D話法を、あなたのプレゼンの“骨格”に取り入れてみてください。

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