「プレゼンが上手い」とは、どういうことか?
プレゼンが上手い人と聞いて、誰を思い浮かべますか?
- スティーブ・ジョブズ?
- TEDスピーカー?
- 自信満々に話す営業トップ?
たしかに彼らは“魅せる”力に長けています。
しかし、そうしたスタイルをそのまま真似しても、サラリーマンのプレゼンではほとんど通用しません。
なぜなら、目的が違うからです。
「上手い話」より「伝わって動かせる話」が必要
ジョブズやTEDは、すでに著名人であり、前提条件が整った“ショー”です。
- ① 登壇者が「誰か」を皆が知っている
- ② 内容は「見せるため」に構成されている
- ③ 会場は「聴きたい人」が集まっている
一方、あなたのプレゼンはどうでしょう?
- 聞き手は、プレゼンターに関心がない
- 結論に反対の立場かもしれない
- 「それを採用するかどうか」=選択の判断をする立場にある
つまり、サラリーマンのプレゼンは「勝ち取る」ためのもの。
スピーチではなく、交渉と説得の場なのです。
ロジカルプレゼンのゴール:
「飽きない・わかる・行動できる」
当社の研修では、「いいプレゼン」の条件をこの3つに絞って伝えています。
条件 | 意味 |
---|---|
飽きない | 聞き手が途中で“聞くのをやめない”構成になっている |
わかる | 論点・結論・理由が整理され、頭に入ってくる |
行動できる | 聞いた人が「やろう」「採用しよう」と判断できる |
つまり、うまく話すかどうかではなく、“聞き手の行動”を生む構造になっているかがポイントです。
プレゼンは「話す技術」より「構成と選択の技術」
プレゼンが苦手という人の多くは、「話すのが得意じゃないから」と言います。
でも実際には、話し方より“構成力”の方が重要です。
- 結論が後ろの方に来て、何を伝えたいのかわからない
- 弱い情報まで全部詰め込んで、話がぼやける
- 順番に説明しているつもりが、「で、結局何が言いたいの?」と返される
これらはすべて、話し方ではなく“設計”の問題です。
ロジカルプレゼンとは、“伝えたい順”ではなく“相手が知りたい順”に話すこと
ロジカルプレゼンでは、自分の話したい順番ではなく、相手が納得・判断しやすい順番に情報を並べます。
- 相手の前提をそろえる
- 結論の理由が「比較」や「根拠」に基づいている
- 「選ばせる」ために、他案との違いが明確に示されている
その結果、聞き手はこう感じます:
「なるほど、わかった」
「他よりよさそうだ」
「やってみようか」
それが、ロジカルプレゼンのゴールです。
おわりに:プレゼンは「うまく話せるか」ではなく「選んでもらえるか」
あなたのプレゼンを聞く相手は、あなたのファンではありません。
「決裁者」「選ぶ側」「動くかどうかを判断する立場」にある人です。
だからこそ、必要なのは“話術”ではなく“構造”。
聞き手の頭と感情に届く、論理と設計のプレゼンです。
次回以降はその具体的な技術――
「情報を削る」「3D話法」「スライド構成」などを順に解説していきます。

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