業務の改善について上司に提案をしたんですけど、却下されちゃいました。。。
うちの上層部は頭が固いから、何を提案しても変わらないんだよ!
会社のことを思えば思うほど、「こうすればいいのに」という改善案が浮かぶものです。
サントリー創業者・鳥井信治郎氏は「やってみなはれ」が口癖でしたが、どこの会社もそんな器の大きな上司ばかりとは限りません。
実際にはせっかくの提案が却下されることも多いですよね。
なぜ若手社員のアイデア・提案を受け入れてくれない組織が多いのでしょう?
「頭が固いから」とは限らない
若手社員が「こうすればいいのに」というアイデアを思いついた時点では、それは「仮説」です。
こうすれば効率が上がる(かもしれません)
こうすればもっと売れる(んじゃないかと思います)
しっかり根拠があって自信があったとしても、実際に効果があるかどうかはやってみなければわかりません。
ところで、その案を実施するためのコストは誰が払うんだ?
設備投資のような目に見える費用だけではありません。他の社員たちに協力してもらう手間や時間も立派なコストです。
さらに「もっと売れる」と思ったアイデアが失敗して売上が下がった場合、その分は機会損失になります。
これらのコストを言い出しっぺの若手社員に背負わせる組織もありませんよね。損をかぶるのは会社です。
効果があるかどうかわからないアイデアで
会社にギャンブルをさせるのか!!
厳しい言い方かもしれませんが、
仮説を立てただけで「検証」を会社に丸投げしているので説得力が弱いのです。
会社がコストとリスクを考えて慎重になるのも当然です。
まず自分の裁量の範囲内で「実験」をしよう
若手社員の提案が受け入れられにくいのは、その提案が「仮説」にすぎないから。
ならば、その仮説を自分で勝手に検証して「事実」にすればいい。
自分の裁量の範囲内で「小さな実験」をしてみましょう。
- 営業トークのシナリオをA案、B案の2つ作り、どっちが売れるか試してみる。
- 自分の持ち場だけ道具や部品の配置を変えて、効率が上がるか試してみる。
- 喫煙所で声をかけて、部署を超えたルートを作ってみる。
これならコストもかからず、効果がなくても会社に大きな迷惑をかけません。
もし効果が出たら、それは検証された事実になります。仮説よりずっと説得力があります。
これをやったら効果がありました!
私も真似してみたら成果が上がりました♪
そうか、それなら正式に上に提案してみてもいいな
実験してみると気づくこと
自分の仮説を検証するために「自分の裁量の範囲内での小さな実験」をやってみると、気づくことがあります。
実際にやってみるって、楽じゃない!
「Idea is easy」といいます。改善案って思いつくだけなら簡単なんです。
それを実証しようとすると、手間もかかるし工夫も必要だし、効果(売上や作業時間)を数字で測らなければなりません。
でも仕事力や実行力が身につくって、そういうことですよね。
「うちの上層部は頭が固い」と愚痴る暇があったら、
小さな実験を重ねて提案に説得力を持たせましょう。
合同会社ロジカルライティング研究室代表
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHK Eテレ「テストの花道」にも出演。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し校舎を大量閉鎖、自身もリストラされるまで怒涛の数年間を経験。混乱する組織の中で意思疎通のエラーを詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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