「見せたい」「読ませたい」「しゃべりたい」がぶつかっていないか?

多くのプレゼンが聞き手に届かない理由。
それは“三重衝突”です。

  • スライドにびっしり文字 → 見るのに必死
  • 話し手は読み上げず、別の話をする → 耳は混乱
  • 手元に資料があって同じ情報 → 視線が分散

つまり、スクリーン、音声、手元資料がバラバラで、
聞き手は「どこを見ればいいの?」「何を聞けばいいの?」状態になってしまうのです。


プレゼンは“情報の洪水”ではなく、“注意のデザイン”

聞き手の集中力には限界があります。
視覚・聴覚・思考力を同時に使わせることは、過剰負荷に他なりません。

たとえばこういう場面、思い当たりませんか?

  • スライドに文章びっしり→聞き手は読むのに必死→話が頭に入らない
  • スライドと話の内容がズレている→混乱
  • 紙の資料と画面が同じ→「それ、読めばわかりますよね?」という空気に

一番大事なのは、「いま何を見て、何を聞くのか」を明確にすること。


原則1:スライドには「今、伝えたいこと」だけを

スライドはメモではなく、舞台装置です。

プレゼン資料と読み物資料は分けるのが基本

資料の種類目的情報量構成
スライド話を補助する最小限1スライド1メッセージ
配布資料あとで読ませる詳細全体構成+補足説明

紙資料は“土産”。スライドは“今ここでの勝負”と考えるのがコツ。


原則2:スライド1枚=1メッセージ

1スライドに3つも4つも情報があると、聞き手は「どれが大事?」と迷います。
迷った瞬間、プレゼンのリズムが止まります。

たとえば:

❌ Before(情報てんこ盛り)

✅ After(1スライド1メッセージ)

これだけで、見て→聞いて→納得する導線が生まれます。


原則3:フォントは「メイリオ」+「1種」で統一せよ

プレゼンでよくあるミス:

  • 游ゴシックとMeiryo UIが混在して読みにくい
  • 強調に違うフォントを使ってゴチャつく
  • フォントサイズがバラバラで見づらい

すべて避けられます。メイリオ1本で統一すればOK。

さらに:

  • 強調は「太字+サイズ大きめ」で充分
  • アンダーラインや赤字は多用せず、1枚に1箇所程度に絞る

原則4:PowerPointの“味方”を使い倒す

時間のない中でスライドを量産するには、
「テキストボックスを貼って整える」から卒業する必要があります。

おすすめの効率化ツール:

  • スライドマスター(全ページ共通デザイン)
  • SmartArt(リストや流れを一瞬でビジュアル化)
  • デザイナー機能(余白と配置を自動調整)

スライドは論理の補助ツール
中身はもちろん、見せ方=構造の見せ方でも差がつきます。


おわりに:「削る勇気」がプレゼンの質を決める

「見せたいことを全部入れる」よりも、
今この場で伝わることだけを残す」方が、はるかに難しく、価値があります。

プレゼンとは、情報の説明ではなく、“理解の設計”です。

  • スライドは削る
  • 声で補う
  • 紙はあとで読んでもらう

この3つを徹底するだけで、聞き手の“納得効率”は劇的に上がります。

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