PREPって「使えない」?
説明の基本形として知られる「PREP」。
- Point:まず要点を話す。
- Reason:その理由を述べる。
- Example:理由を裏付ける事実を挙げる。
- Point:要点をもう一度話す。
新入社員研修では「報連相の型」として教えられることも多いですよね。
ところが受講者からはこんな声もよく聞かれます。
教わったけど、実際は使いこなせていない
PREPで話してみたけど、不自然でうまくいかないっすよ
おやおや、不人気ですね。
「PREPが不自然」ってどういうことなのか、会話を覗いてみましょう。
えーと、ですから、この製品は従来型と比較いたしまして出力が30%アップしておりまして、さらに静音にも工夫を凝らしているため工場内でもストレスになりません。しかもメインテナンスもしやすくどなたにでもお使いいただけるため・・・
君の話は長くてよくわからん。結論から話してくれ、結論から!
結論から? そっか、研修で教わった「PREP」を実践するチャンスだ! 結論から話せばいいんでしょ?
買ってください!(ドヤッ!)
おいおい、唐突だな! 急に買ってくれと言われても意味がわからん。
そんなあ。。。(PREPなら伝わると思ったんだけどなあ・・・)
実は、この会話の中に「PREPが日本で普及しない原因」が隠れているのです。
「結論から話せ」ではない
PREPの説明としてよく言われるのが「結論から話せ」です。
「Point=結論」と訳しているんですね。
この「結論」というのがクセモノで、多くの人は「最後に話す予定の一言」と解釈してしまいます。
買ってください!
というのは営業マンにとっては「結論(クロージングの台詞)」ではありますが、
お客様にとっての「要点(もっとも大事な情報)」ではありません。
御社のこの問題、この製品なら解決できます
これが「相手にとっての要点」です。
この製品なら工場の生産性を改善できます(Point)
ほう、なぜその製品で改善できるんだね?
なぜなら、従来型と比較して出力が30%アップしておりまして、さらに静音にも工夫を凝らしているため工場内でもストレスにならないからです。(Reason)
それは信用できるのかね?
すでに全国15社20拠点で導入いただいております。(Example)
なるほど。で、いくらするんだね?
この製品、いまならカスタマイズ費も込み込みで○○万円です。是非ご検討ください!(Point)
まとめ
PREPが「唐突」に思われてしまうのは、Pointを「結論=自分のシナリオの最後」と解釈してしまうからです。
Pointは「相手にとっての要点」。自分本位ではなく相手ファーストのコミュニケーションがPREPの基本です。
合同会社ロジカルライティング研究室代表
文章力と問題解決力を育てる専門家。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感から、論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、代々木ゼミナールの小論文講師に抜擢され、国語の苦手な理系の受験生から支持を集める。NHK Eテレ「テストの花道」にも出演。
その後、独立し社会人教育に転身。製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員研修に登壇。「受講した翌日、契約が取れた」「論文試験の合格率が2倍に」「グループワークで出たアイデアがその場で社長に承認された」など即効性のあるノウハウが支持される。また1万5千本以上の添削歴を活かした事後課題の丁寧なフィードバックも好評。
1969年青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)。
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