書いた文章を読み返しても、直せない?
文章が書けたあと、ちゃんと読み返しているのに…
- 「どこを直せばいいのかわからない」
- 「何度も読んだのに“伝わらない”と言われる」
- 「読み直すたびに不安になる…」
これは、「誤字脱字チェック」や「てにをは修正」に意識が偏っていて、“論理の流れ”をチェックしていないことが原因です。
ロジカルライティングにおける推敲は、内容を並べ替える“構造チェック”が中心になります。
推敲で見るべきは「文章の順番」
まず確認すべきは、伝えるべき情報が“伝わる順”に並んでいるか?ということ。
よくあるNGパターン:
「Aという出来事がありました。こういう背景がありました。そして私の考えはこうです。」
→ 自分の考え(主張)が一番最後なので、読み手は「で、何が言いたいの?」と迷子になります。
修正例:
「私はAのように考えます。なぜなら、こういう背景があるからです。実際、こんな出来事もありました。」
→ 主張を先に出すだけで、文章の軸が通ります。
順番の基本:主張→理由→根拠
ロジカルな文章では、以下の順番が鉄則です:
- 主張(結論):私はこう考える
- 理由:なぜならこうだから
- 根拠・事例:その理由を裏づける証拠
- 再確認や提案:だからこうすべき/こう考えられる
この順番になっているか?
各段落やセンテンスが「どの役割を果たしているか?」を意識するだけで、推敲の精度がぐっと上がります。
次に見るべきは「視点」=読み手の理解
自分では伝わるつもりでも、読み手には違って見えることがよくあります。
そのズレを発見するのが「視点の推敲」です。
視点でよくあるズレ:
- 専門用語を使っていないか?
→ 相手にとって“当たり前”かどうかで判断する - 「それ」「これ」が何を指すか曖昧になっていないか?
→ 代名詞は読み手の頭の中で“復元できるか”が重要 - 相手が欲しい情報が先に来ているか?
→ 説明ではなく「判断材料」になっているかを確認
読み手の頭の中で文章を再生するような気持ちでチェックすることが、視点のズレを防ぐコツです。
チェックリスト:推敲のための3つの視点
- 順番チェック(構造)
□ 結論は最初に来ているか?
□ 各段落が「主張・理由・具体例・まとめ」の流れになっているか? - 視点チェック(読み手側)
□ 代名詞や前提知識は読み手に通じるか?
□ 情報が「言いたい順」ではなく「知りたい順」になっているか? - 削除チェック(無駄の排除)
□ 同じことを別の表現で繰り返していないか?
□ 「念のため」の文言が全体を冗長にしていないか?
おわりに:「書くこと」は考えること。「直すこと」は気づくこと。
書くときには、自分の思考に集中します。
でも、直すときには「相手の頭の中」に立って読み直すことが必要です。
推敲とは、間違い探しではありません。
「自分が言いたいこと」が「相手にどう届いているか」を再設計する行為です。
順番と視点、この2つを意識すれば、文章は見違えるように伝わりやすくなります。

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