PREPとはPoint, Reason, Example, Pointのことです。
まず要点を話して、次に理由を述べて、その次に根拠を述べて、最後に・・・
ん? 理由って根拠のことでしょ?
根拠って理由のことでしょ?
どうして2つ言わなきゃいけないの?
PREPが日本のビジネスパーソンになかなか受け入れられない理由の1つが、この「理由と根拠」問題です。
理由と根拠って同じでしょうか? それとも違うものでしょうか?
理由と根拠の区別を理解しよう
理由と根拠、この2つは別物です。
まずはPREPの例を見てみましょう。
Point:犯人は、あなただ!
Reason:なぜなら、この密室にあの小窓から出入りできるのは、あなたしかいないからだ。
Example:その証拠に、窓の内側からあなたの指紋だけが検出されている。
Point:ゆえに、犯人はあなただ!
この中で、「この密室にあの小窓から出入りできるのは、あなたしかいない」というのは探偵の推理です。判断です。頭の中で作った理屈なので、目には見えません。
これに対し、「指紋が検出された」というのは事実です。物的証拠です。目に見えます。
頭の中の判断がReason(理由)、目に見える物的証拠がExample(根拠)という違いですね。
理由と根拠はセットで初めて説得力をもつ
理由、または根拠がはっきりしていれば片方だけでもよさそうなものですが、
PREPがわざわざReasonとExampleの2つとも要求するのはなぜでしょう?
これもちゃんと理由があるのです。
たとえば、推理だけで証拠がない場合。
Point:犯人は、あなただ!
Reason:なぜなら、この密室にあの小窓から出入りできるのは、あなたしかいないからだ。
ホーッホッホッホ! 探偵さんって想像力が豊かなのね! 話としては面白いけれど、私じゃないわよww
推理だけでは言い逃れをされてしまいます。
では逆に、推理なしで物的証拠だけではどうでしょう?
Point:犯人は、あなただ!
Example:その証拠に、窓の内側からあなたの指紋だけが検出されている。
あら、変なこと言うわね。この屋敷に住んでいるんだから、指紋くらいどこにでもあるでしょ?ww
やっぱり追い詰めることはできません。
推理だけでも証拠だけでも、片方だけでは説得力が半減してしまうのです。
Reason:なぜなら、この密室にあの小窓から出入りできるのは、あなたしかいないからだ。
Example:その証拠に、窓の内側からあなたの指紋だけが検出されている。
グググ・・・
そうよ、私が犯人よ。だから何? 私だって、私だってね、あの女さえいなければ…(以下、犯人が逮捕される前の自分語り)
名探偵は自分の推理を物的証拠で裏付けます。
PREPも同様。Reason(判断、理屈)をExample(事実、根拠)で裏付けることによって説得力を持つわけです。
まとめ
PREPを身につけるコツの一つが、ReasonとExampleを区別することです。
Reason(理由)とは頭の中の判断、Example(根拠)は目に見える事実という役割の違いがあるからです。
その証拠に、ドラマやアニメの名探偵も推理と物的証拠で犯人を追い詰めます。
ReasonをExampleで裏付けて、説得力を高めましょう!
って、PREPでまとめてみました。どうでしょう?
あなた、なかなかやるわね。私の秘書にしてあげてもいいわよ
合同会社ロジカルライティング研究室代表
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHK Eテレ「テストの花道」にも出演。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し校舎を大量閉鎖、自身もリストラされるまで怒涛の数年間を経験。混乱する組織の中で意思疎通のエラーを詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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