書く力がある人ほど、ロジカルに書けない?

「文章を書くのは得意です」
「小論文には自信があります」

そんな人でも、いざビジネス文書を書くと、
「長い」「わかりにくい」「何が言いたいのかわからない」
とフィードバックされてしまうことがあります。

なぜでしょうか?

それは、「作文」と「ロジカルライティング」が似て非なるものだからです。


作文とロジカルライティングの違いとは?

項目作文ロジカルライティング
目的自分の気持ちや経験を表現する相手に情報や意見を正確に伝える
評価基準表現の豊かさ・感性情報の構造・論理性・伝達の明快さ
読者の位置書き手自身が主役(内向き)読み手が主役(外向き)
文の構成感情の流れに沿って自由に展開主張と根拠の関係が構造的に整理されている

作文は、書き手の内面を「自由に」表現する手段。
ロジカルライティングは、読み手の理解を助けるための「論理的に整った」文章です。


読み手は“自分と関係ない文章”には厳しい

ビジネスの文章においては、読み手が「感情移入」してくれることはまずありません。

  • 上司は忙しい
  • 顧客は疑っている
  • 関係者は必要な情報だけほしい

つまり、「わかってもらおう」ではなく、「わかるように書く」必要があるのです。


ロジカルライティングの基本は、「構造」である

作文が“表現力”に重きを置くとすれば、
ロジカルライティングは“構造力”が命です。

たとえば、以下のような構造が典型です:

主張 → 理由 → 根拠 → 結論の再確認(PREP法)
課題 → 原因 → 対策 → 効果(問題解決型)
結論 → 背景 → 詳細 → 次のアクション(報告型)

このように、文章そのものがロジカルシンキングの表れになっているのです。


よくある誤解:「丁寧に書く=ロジカルになる」

ロジカルライティングができていない人ほど、
「丁寧に説明したつもりなんですが…」と話します。

実際にはこうなっていることが多いです:

  • 情報があちこちに散らばっている
  • 大事な結論が最後にポツンと置かれている
  • つなぎの言葉(しかし、つまり、なぜなら)が曖昧

いくら丁寧でも、「構造」が見えなければ、読み手は理解できません。
ロジカルライティングとは、「書く内容を整理して、相手が理解しやすい順に並べる技術」なのです。


おわりに:「伝わればいい」ではなく「伝わるように書く」

多くのビジネスパーソンが文章に苦手意識を持つのは、「センスの問題」と思い込んでいるからです。

でも実際には、ロジカルライティングはセンスではなく技術です。
論理の型を知り、練習を重ねれば、誰でも上達します。

作文が「感性を届ける」ものだとすれば、
ロジカルライティングは「考えを正確に届ける」もの。

あなたの頭の中の“わかっていること”を、
相手の頭の中の“わかる”に変える技術――それがロジカルライティングです。

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