ロジカルライティングとは「いくつもの書き方の総称」
「ロジカルライティング」とはいくつもの文章作成法の総称です。
よいビジネス文書とは「相手の知りたいことに答えている文書」。そのためには「読みやすく、誤解の余地がなく、信用できる」ことが必要です。
これらの条件を満たすために、箇条書きやPREP、ピラミッドストラクチャーなどの論理構成が考案されてきました。これらをまとめて「ロジカルライティング」と呼んでいるわけです。
「ロジカルライティング」という一つの書き方が存在するわけではないことに注意しましょう。
「論理的」とは「誰が聞いても納得できること」
「論理的」とは一般的には「きちんと筋道を立てて考えていること」といわれます。
でも少しわかりにくいですね。こういうときは対義語から考えてみましょう。
第一に「客観的」であること
「論理的」の対義語は「感情的」「直感的」。つまり「客観的」と「主観的」の関係に似ています。
感情や直感(勘)は一人ひとり違うため、これらをもとに発言しても「僕はそう感じないなあ」と納得してもらえません。これでは組織がまとまらないし、お客様を説得することもできません。
したがって、ビジネス文書は第一に「客観的に書かれていること」が必要となります。書き手の主観を排し、事実に基づいて説明することが求められます。
よいビジネス文書の定義「読みやすく、誤解の余地がなく、信用できる」のうち「信用できる」に関係していますね。
第二に「関係性が明確」であること
説明が客観的であることを前提として、次に求められるのが「読みやすく、誤解の余地がない」ことです。
では、どういうのが「わかりやすい説明」かというと、それは「関係性がはっきりしている説明」です。
Aの説明は何と同じで何と違っていて、その結果どうなるのか。
つまり、A=B、A↔B、A→B。
「論理」というのは「2つのものの関係性」であるといえます。
よくロジカルライティング、ロジカルシンキングで耳にする「MECE、マトリックス、ロジックツリー」などの用語は、「AとBの関係性」をはっきりさせるための手段なのです。
ロジカルシンキングとは違うの?
社員研修の中で「ロジカルライティング」と並んでメジャーな「科目」が「ロジカルシンキング」です。
ロジカルライティングが「伝えること」に重点を置くのに対し、ロジカルシンキングは「問題解決」を目的としています。
何かの問題を解決するために、要素を分解したり因果関係を確かめたりするわけです。そのための考え方、方法論が「空・雨・傘、演繹法・帰納法」などたくさんあり、これらを総称して「ロジカルシンキング」と呼ばれるわけです。
(ロジカルライティングと同じく、「ロジカルシンキング」という一つの思考パターンがあるわけではありません)
「伝える」と「考える」の違いはあるものの、ビジネス文書とは「誰かの問題を解決する文書」ですからロジカルライティングとロジカルシンキングはまったく別のものではありません。実際の研修ではロジカルライティング研修のカリキュラムに「問題解決」の項目を組み入れたり、ロジカルシンキング研修の中に「伝え方」を組み入れたりすることもあります。
初心者は何から学べばいいの?
ロジカルライティングの初心者は何をどんな順番で学ぶべきなのか?
おすすめの学習ステップはこの内容、この順番です。
- 客観的な表現(主観表現を削ぎ落とし、文体を統一する)
- PREP(理由を事実で裏づける)
- 箇条書き(見出しをつけて情報を構造化する。全体の目次を作る要領で)
- パラグラフ・ライティング(実はPREPと箇条書きの組み合わせで、まとまったボリュームの文章を書く)
ここまでがロジカルライティングの基本です。
このうち「3. 箇条書き」までできたらメールや日報は劇的にわかりやすくなっているはずです。
「4. パラグラフ・ライティング」までできたら昇進試験の論文も怖くありません。
ロジックツリー、ピラミッドストラクチャーなどのフレームワークはさらに緻密な内容に仕上げるための上級編。実はこれらもパーツに分けるとPREPと箇条書きの集合体です。
合同会社ロジカルライティング研究室の場合、半日(3時間)の研修では「3. 箇条書き」までを徹底的にトレーニングし、一日(6時間)の研修では「4. パラグラフ・ライティング」以降の高度な内容に挑戦します。
貴社のニーズ、課題に合わせたオリジナル研修も企画いたします。
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